昨年末はとても素敵な時間を過ごした。
シンガポールシンフォニーの主席を退任された後も、精力的に活躍を続ける、
アレクサンダー・スプテル氏と、マサコ・スズキ・ホワイト氏が来日し、
福岡でコンサートを開催した。
前半は楽器についてのレクチャーを私が。
そこから私が製作し、スプテル氏に愛用して頂いている楽器を使ってのコンサート。
コンサートで自分が製作した楽器の音が響き渡る時、それは喜び半分、不安半分。
我が子が発表会に出演する親の心境に似ているのだろうか。

 スプテル氏は本当の音楽というものを身をもって見せてくれた。
スプテル氏はどこに行っても、どんな場所でも、
突然にバイオリンを引っ張り出しては即興で演奏し、人を楽しませていた。

人を楽しませることを心から愛する音楽家がいて、
言葉の壁を軽々と超えていく音楽がそこにあり、
人々が音楽を心から楽しんでいた。
すべてが調和して溶け込んでいた。それは根源的な喜びの形をしていた。

その傍らに自分の楽器がいることを、とてもとても幸せに感じた。

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西村翔太郎

1983年 京都府に生まれ、9歳より長崎県で育つ。吹奏楽でトランペットを演奏していたことから楽器製作を志す。偶然テレビで見たオイストラフのドキュメンタリー番組に影響を受け、ヴァイオリンに興味を持つ。国内外の製作家を取材するなど製作家への道を模索しながら、高校時代に独学で2本のヴァイオリンを作り上げる。2002年 ガリンベルティを筆頭とするミラノ派のスタイルへの憧れから、ミラノ市立ヴァイオリン製作学校に入学。製作をパオラ・ヴェッキオ、ジョルジョ・カッシアーニ両氏に、ニス塗装技術をマルコ・イメール・ピッチノッティ氏に師事。2006年 クレモナに移住。クレモナトリエンナーレで最高位を獲得したダヴィデ・ソーラ氏のヴァイオリンに感銘を受け、この年から同氏に師事。2010年イタリア国内弦楽器製作コンクール ヴァイオリン部門で優勝と同時にヴィオラ部門で第3位受賞。2014年シンガポールにて、政府関係者や各国大使の前で自身が製作したカルテットでのコンサートを催す。
2018年クレモナバイオリン博物館、音響・化学研究所によるANIMAプロジェクトの主要研究員を務める。
2018年よりマレーシア・コタキナバルにて、ボランティア活動として子供達の楽器の修理やカンファレンスを行う。
CultralViolinMakingCremona会員
関西弦楽器製作者協会会員

主な楽器使用者

アレクサンダー・スプテル氏
(ソリスト・元SSOコンサートマスター)
森下幸次 氏 
(ソリスト・大阪交響楽団コンサートマスター)
木村正貴 氏 
(東京交響楽団フォアシュピーラー)
立木茂 氏  
(ビオリスト・弦楽器指導者協会理事長)

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