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「Fico d'India」  イタリアでインドのイチジクと呼ばれるこの果物。本当はイチジクではなく、サボテンの実。この夏、南イタリアのプーリアに行った時に出会いました。プーリアの語源が「乾いた土地」というだけあって、そこらじゅうに道草のように、サボテンが生えていました。大きく根付いたサボテンのその先に、似つかわしくないこの小さな実が、手のような平たい葉から、 こちらに差し出すかのように生っていました。熟れたスイカのような食感と、まさにイチジクのような甘味。いろいろな土地をめぐって、沢山の素敵な人達と出会い、同じ時間を共有できたこの夏を、これから毎夏、このサボテンの実が思い出させてくれると思います。  

 涼しさを求めて、サロ湖に。ここは裕福な人たちの別荘とボートが並ぶ、豪奢な避暑地。しかし豪奢な暮らしと無縁なバイオリン製作者にとってはなんといってもガスパロ・ダ・サロ率いるブレーシャ派の本拠地。 こちらがガスパロ・ダ・サロ。一昔前までは「バイオリンを発明した人」とも言われていた人。確かにはっきりと史実に名前が残っているバイオリン製作者としては、一番最初の人ではあります。(詳しいバイオリンの歴史は長すぎるんで、別の機会に)で、この有名なガスパロ・ダ・サロの胸像。バイオリンの中心の接着が剥がれ、悲しいお顔・・・。製作家であれば誰もが一度は経験のある接着の剥がれ。それがこんなにパックリと。 もうこれはトラウマです。なぜこんな最悪の瞬間を胸像にしたのか不思議に思っていました。それが、名前の下を見てようやく分かりました。 イタリアの詩人・革命家のダンヌッツォの詩が書かれておりました。世界に先駆けてファシズム革命を目指し、独立国家フィウメを実際に樹立、後にムッソリーニや三島由紀夫に影響を与えた人。 革命に失敗した後はここで隠遁生活を送っていたそうです。この詩を訳すと胸がさかれて バイオリンが作られようとしてるのか、バイオリンがさかれて 心に入ろうとしているのか。う~む。わかるような、わからないような・・・。さすがラディカルなおじさんです。それでも、やはりバイオリン製作家には切なすぎる胸像です・・・・。湖畔沿いはおしゃれなカフェが並んでました。日差しのきつい暑い日だったので、すっきりとヴェネツィアのカクテル、スプリッツでしめました。

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Tue ‒ Thu: 09am ‒ 07pm
Fri ‒ Mon: 09am ‒ 05pm

Adults: $25
Children & Students free

673 12 Constitution Lane Massillon
781-562-9355, 781-727-6090