シンガポールには日本にはない形の未来像がありました。
近未来的な建築群が整然と並ぶ街中で、
様々な人種や民族が、カタコトの英語(シングリッシュと呼ばれる)
でコミニュケーションを取り合い、

それぞれの人種や民族ごとに地区を作り、
その中で自分達の文化や宗教をそのまま持ち込んで暮らし、
その代わり、他を一切干渉しない。
ボーダーレスな未来志向に、多民族のカオスがうまく共存していました。

共通言語で政治・経済・教育をシステマチックに成り立たせ、
文化や宗教の多様性はそのまま受け入れている。
移民問題が深刻化しているイタリアで暮らし、
移民を受け入れるかどうかを検討する日本を見ている身として、
シンガポールは移民問題を乗り越えた先の、一つの理想像ではないかと感じました。
(世界で一番安全なアラブ人街と呼ばれる地区がありました。)

なんでも飲み込むアジアの「カオス」は、欧米の言う「グローバル社会」にはない、
懐の深さを感じました。

そして、またバイオリンが素敵な方に貰われていきました。
シンガポール・シンフォニー・オーケストラで20年に渡ってコンサートマスターを務め、
今年からはアドバイザーを務めるアレクサンドル先生。
本当に楽しそうに、ずっとバイオリンを弾き続けていらっしゃいました。
話してはバッハを弾いて、 また話してはジプシーの曲を弾き。
音楽の中を自由に飛び回って、たまに戻ってきて人と話すといった感じで、
とても羨ましく思いました。


この地でいろいろな文化背景を持つ人たちが音楽を共有するという素敵な時間に、
僕の楽器の音が加わらせてもらえることは、
これからの製作活動の大きな希望となってくれると思います。

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