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東京フィルハーモニー交響楽団で長年、主席を務められたチェリスト、 黒川三正さんに製作したチェロのご意見を頂いた。 やはり、第一線で活躍される方のボウイングで鳴らすと、しっかりと楽器の核が見えてくる。 チェロはバイオリンとは全く違う音質が求められる。 ただ音域が低いというわけではない。 「Viole da braccio」(複数形)という呼称でバイオリンと一括りにされて、楽譜に指定されていなかったり、「Violone」という呼称でビオローネ・ダ・ガンバとチェロのどちらを指すのかはっきり区別されていない時代から、1600年代後半に入ると「Violoncello」という呼称が用いられ始め、はっきりとチェロという楽器の”個性”が意識され始める。その裏には、1600年代後半にチェロの低弦に金属巻線が用いられるようになり、小型化され、よりソリスティックに音が変化を遂げ、ボローニャ派の作曲家が積極的にチェロを主体にした曲を書き始めた事があるのだが、 まさにこの時から、チェロ独自の音が求められるようになる。 チェロの音質はモデルによる影響がかなり大きい。 地鳴りのするような低音に、遠くまで抜ける鼻にかかったような高音。 金属的な低音に、ふくよかな高音。 演奏家によってチェロに求める音にかなりの違いはあるのだが、 過去の製作家のモデルを見ると、ニーズに合わせるための過激なまでの試行錯誤が見て取れる。 そして、それは400年経った今でも試行錯誤が続いている。 更に厄介なことに、チェロは構造上、音量がとても大きいので、 そばで聞いても、自分で弾いても、音質の判別が難しい。 チェロは演奏家と製作家の二人三脚が無ければ決して作れないのである。 ーーーーーーーーーー 西村翔太郎1983年 京都府に生まれ、9歳より長崎県で育つ。吹奏楽でトランペットを演奏していたことから楽器製作を志す。偶然テレビで見たオイストラフのドキュメンタリー番組に影響を受け、ヴァイオリンに興味を持つ。国内外の製作家を取材するなど製作家への道を模索しながら、高校時代に独学で2本のヴァイオリンを作り上げる。2002年 ガリンベルティを筆頭とするミラノ派のスタイルへの憧れから、ミラノ市立ヴァイオリン製作学校に入学。製作をパオラ・ヴェッキオ、ジョルジョ・カッシアーニ両氏に、ニス塗装技術をマルコ・イメール・ピッチノッティ氏に師事。2006年 クレモナに移住。クレモナトリエンナーレで最高位を獲得したダヴィデ・ソーラ氏のヴァイオリンに感銘を受け、この年から同氏に師事。2010年イタリア国内弦楽器製作コンクール ヴァイオリン部門で優勝と同時にヴィオラ部門で第3位受賞。2014年シンガポールにて、政府関係者や各国大使の前で自身が製作したカルテットでのコンサートを催す。2018年クレモナバイオリン博物館、音響・化学研究所によるANIMAプロジェクトの主要研究員を務める。2018年よりマレーシア・コタキナバルにて、ボランティア活動として子供達の楽器の修理やカンファレンスを行う。CultralViolinMakingCremona会員関西弦楽器製作者協会会員主な楽器使用者アレクサンダー・スプテル氏(ソリスト・元SSOコンサートマスター)森下幸次 氏 (ソリスト・大阪交響楽団コンサートマスター)木村正貴 氏 (東京交響楽団フォアシュピーラー)立木茂 氏  (ビオリスト・弦楽器指導者協会理事長)

   昨年末はとても素敵な時間を過ごした。シンガポールシンフォニーの主席を退任された後も、精力的に活躍を続ける、アレクサンダー・スプテル氏と、マサコ・スズキ・ホワイト氏が来日し、福岡でコンサートを開催した。前半は楽器についてのレクチャーを私が。そこから私が製作し、スプテル氏に愛用して頂いている楽器を使ってのコンサート。コンサートで自分が製作した楽器の音が響き渡る時、それは喜び半分、不安半分。我が子が発表会に出演する親の心境に似ているのだろうか。  スプテル氏は本当の音楽というものを身をもって見せてくれた。 スプテル氏はどこに行っても、どんな場所でも、突然にバイオリンを引っ張り出しては即興で演奏し、人を楽しませていた。 人を楽しませることを心から愛する音楽家がいて、言葉の壁を軽々と超えていく音楽がそこにあり、人々が音楽を心から楽しんでいた。 すべてが調和して溶け込んでいた。それは根源的な喜びの形をしていた。 その傍らに自分の楽器がいることを、とてもとても幸せに感じた。 ーーーーーーーーーーーーー 西村翔太郎1983年 京都府に生まれ、9歳より長崎県で育つ。吹奏楽でトランペットを演奏していたことから楽器製作を志す。偶然テレビで見たオイストラフのドキュメンタリー番組に影響を受け、ヴァイオリンに興味を持つ。国内外の製作家を取材するなど製作家への道を模索しながら、高校時代に独学で2本のヴァイオリンを作り上げる。2002年 ガリンベルティを筆頭とするミラノ派のスタイルへの憧れから、ミラノ市立ヴァイオリン製作学校に入学。製作をパオラ・ヴェッキオ、ジョルジョ・カッシアーニ両氏に、ニス塗装技術をマルコ・イメール・ピッチノッティ氏に師事。2006年 クレモナに移住。クレモナトリエンナーレで最高位を獲得したダヴィデ・ソーラ氏のヴァイオリンに感銘を受け、この年から同氏に師事。2010年イタリア国内弦楽器製作コンクール ヴァイオリン部門で優勝と同時にヴィオラ部門で第3位受賞。2014年シンガポールにて、政府関係者や各国大使の前で自身が製作したカルテットでのコンサートを催す。2018年クレモナバイオリン博物館、音響・化学研究所によるANIMAプロジェクトの主要研究員を務める。2018年よりマレーシア・コタキナバルにて、ボランティア活動として子供達の楽器の修理やカンファレンスを行う。CultralViolinMakingCremona会員関西弦楽器製作者協会会員主な楽器使用者アレクサンダー・スプテル氏(ソリスト・元SSOコンサートマスター)森下幸次 氏 (ソリスト・大阪交響楽団コンサートマスター)木村正貴 氏 (東京交響楽団フォアシュピーラー)立木茂 氏  (ビオリスト・弦楽器指導者協会理事長)

 2016年12月22日、福岡のアクロスにて、クリスマスコンサートに出演します。今年まで20年以上にわたって、シンガポールシンフォニーオーケストラのコンサートマスターを務めたアレクサンドル・スプテル氏が出演します。スプテル氏の所有である私が製作した楽器を使って演奏されます。私もナビゲーターとして出演いたします。 ほぼ完売状態ですが、なんとか数席は確保できますので、ご興味のある方はご連絡ください。

今回のガルネリ1741「Vieuxtemps」モデルのバイオリンを届けに、バイオリニスト森下幸路氏のもとへ。世界の第一線で活躍するバイオリニストの元で、生まれたてのこの楽器が、どのように成長していくのかを見届けられるのは、バイオリン製作家にとってこれ以上の幸運はない。    引渡し直後の試し弾き風景森下幸路 氏: ソリスト       大阪交響楽団主席ソロコンサートマスター       浜松フィルハーモニーコンサートマスター       大阪音楽大学特任教授        

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Tue ‒ Thu: 09am ‒ 07pm
Fri ‒ Mon: 09am ‒ 05pm

Adults: $25
Children & Students free

673 12 Constitution Lane Massillon
781-562-9355, 781-727-6090